さよならまでの長い距離

あらゆる「はじめまして」から「さよなら」までの間について

子別れ

という噺を聞いてきました(タイトル)
ちなみにむかし家今松師匠の独演会

このタイミングで家族ものかよ……と思いましたね
まあ噺自体は先に決まってるんだけど



噺の筋はこんな感じ☟☟☟
大工の熊さん、給料を吉原で使い果たす▶家に帰ると奥さん「私と子どもは何も食べてないのに」と怒る▶熊さん、激昂し奥さんと子どもを追い出し離縁▶しかしすぐに後悔、反省し酒も断ち独り身で仕事に精を出す▶三年後、偶然学校帰りの子どもに会う▶熊さんと奥さんが再会、復縁


子どもは追い出される際、熊さんに「お前になんか挨拶だってするもんか」と言ってたのに両親が再会した折は「また一緒になればいいよ」と極めて友好的
その変わり身に、片親の子どもの苦労を垣間見た



家にお金を入れない、暴力を振るう、育児放棄をする
そういうわかりやすいダメな親ならわたしも楽に憎めた

わたしの親はふたりとも真面目で、毎日真っ直ぐ帰ってくるし不倫とかもないし教育費だって別に惜しんだことはなかった
わたしは可愛がられている、と思う

だけど一緒にいるのがこんなにもつらい



わたしは確かに彼らに傷つけられた、侮辱された、肯定されなかった瞬間があった
それを恨み続けるのは、わたしが悪いのか
わたしはわたしのために生きてはいけないのか
感謝もしてるし愛情もある、でも憎んでもいる
その不可解な心を、わたしは自分に許してはいけないのか



よくわからなくなりました
そしてより死にたくなりました





違う噺の導入部で「満開の桜で首吊りをすれば楽に衆目を集められる」というところがあって皆笑ってたけど、わたしは純粋にいいなあと羨ましくなった


わたしは人里離れた桜がいいけど、いつか自分から死ぬなら満開の桜で首を吊りたい