さよならまでの長い距離

あらゆる「はじめまして」から「さよなら」までの間について

春(詩)

銀(しろがね)に瞬く
花弁が降り注ぐ中
僕らの意識は間(あわい)を揺蕩う

何者でもない君から君を奪って
本当のまっさらにしてやりたい

上手にさよならができないから
僕は笑って誤魔化すよ

誰も僕を呼ばないでくれ
思い知らせようとしないでくれ

地続きの世界の端っこで
僕は飛び立つ練習をしたいんだ